政次郎の独り言

2023/08/07 10:11

チャーチルはいつ頃から蝶ネクタイを結んだのか?

では、チャーチルはいつ頃から蝶ネクタイを結ぶようになったのか。
1900年頃にはチャーチルは蝶ネクタイを結ぶようになった、議員としての初当選が1900年10月11日、25~26歳ころには、既にハードカラーの襟に蝶ネクタイを結んでいる。

まぁ、晩年まで蝶ネクタイを愛用したということは、計算上70年もの永き間にわたって愛用したことになる。
なんと、70年間も蝶ネクタイ一筋である。これは凄い!としか言いようがない。

さて、なぜ、これほどまでにチャーチルは蝶ネクタイを好んだのか、少し考えてみよう。
なにか手がかりはないものだろうか?

同じように生粋の英国人で同じように蝶ネクタイを好んだ人物に作家のイアン・フレミングいる。
言わずと知れた007ジェームズボンドの生みの親。
では、チャーチルとフレミングになにか共通点はあるのか、年齢差は34歳、もちろんフレミングが若い、そう、ちょうど親子くらいの感じである。
チャーチルはハロー校からサンドファーストに進んでいる。
一方、フレミングはイートン校からサンドファーストに進んでいる。共通点といえば、これであろう、サンドファースト、地名である。

そこには今も昔も「英国王立陸軍士官学校」がある場所。普通、サンドファーストといえば、その士官学校を意味する。
つまり二人とも根っからの軍人気質である。

チャーチルの若い時の口癖は「一度ナポレオンと戦ってみたかった」であったという。
チャーチルは軍人から政治家に、フレミングは軍人から作家になったという違いはあってが、忘れてならないのは、両者とも良家の子弟であったことである。

 

もちろん、さらに比べるなら、チャーチルのほうが遥かに良い家柄であった。要するにチャーチルもフレミングも英国の上流階級に属していた。しかも若いころから徹底的に選良意識(エリートマインド)を叩き込まれている。
士官としていかに兵を導くか、時には兵を守る為、自己犠牲を強いられることもあるだろう。その意味での選良意識なのである。

世の中に「導く者」と「導かれる者」がいることは間違いない。
チャーチルは政治家として国民を導き、フレミングは作家として読者をエンターティメントの世界に導いたというのは、こじつけであろうか。それはともかく、蝶ネクタイを好む人の中には選良意識があるのはまず間違いないだろう。


(出典・参考/出石尚三/男はなぜネクタイを結ぶのか)

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